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彫像「Lebensspender」 6
彫像「Lebensspender」
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スイスの彫刻家、アンリ・ケーニッヒ(Henri König/1896-1983)による彫刻作品「Lebensspender」
スイスのクロイツリンゲンにある「ドライスピッツ公園」に設置されているブロンズ像です。
花壇の中心で花に囲まれ、何やら不思議なポーズをしている少年。
タイトルのLebensspenderとは「命を与える者」という意味なので、たぶん花に生命を与えているシーンなのだと思います。
ということはこの少年は神? 魔法使い? ただの厨二病?
実際に花壇に入ってこんなことをしている少年がいたら心配になりますが、彫像であればソーセージも含めて厳かに見えてくるものです。
中学生くらいでしょうか、極めて健康そうですね。
この少年は花壇の花だけでなく、この公園を訪れる人たちにも活力を与えているのでしょう。
私の中ではアンリ・ケーニッヒの作品はどれもお尻が美しいという認識なんですが、この作品も形が綺麗ですね。
花壇の中に設置したのは、手を触れにくくするためにも正解だったんじゃあないでしょうか。
作者のアンリ・ケーニッヒはスイスの彫刻家。
トゥールガウ州のローマンスホルンで生まれた彼は、クロイツリンゲンの教員育成大学に通った後、ジュネーブのエコール・デ・ボザールにて彫刻を学びました。
彼は彫刻家のジェームズ・ヴィバート(James Vibert/1872-1942)の弟子となり、卒業後は奨学金でイタリアに住んで、フランス、オランダ、ギリシアへと旅して見聞を広めました。
そして1931年にスイス連邦から高い評価を得て、公園の噴水や記念碑などの公共彫刻を多く手掛けました。
彼は1943年から1961年までジュネーヴ美術学校、およびジュネーヴ建築学校の教授を務め、1951年にはエコール・デ・ボザールの学部長に就任しています。
画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:DreispitzparkJuengling.JPG
File:DreispitzparkJuengling1.JPG
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2025年03月13日
ジャブ池遊び100年史
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先月、川で遊ぶ子供たちの100年史を考察したので(該当記事)、今回は街の中にある「ジャブ池」の100年史を語ってみたいと思います。
公園全体が水辺になっている、市民が水と親しむために作られた公園を「親水公園」と言います。
日本で親水公園が最初に作られたのは1973年。
東京都江戸川区に「古川親水公園」が作られたのが最初だそうです。
意外と歴史は浅いんですね。
親水公園ほど大きくはなくても、公園には子供たちが遊ぶための人工の池、水路などが設置されていることがあります。
私が若い頃はそれらは「ジャブジャブ池」、略して「ジャブ池」と呼ばれていました。
今は単に「水遊び場」とでも言うのかな?
噴水や滝などが併設されていることもありますね。
水深が浅く、怪我をしそうな岩などもなく、子供たちが安全に遊べるように作られた人工の水辺。
夏になると子供や家族連れで賑わう、言わば都会のオアシスです。(都会とは限りませんが)
上の写真はどこの国かはわかりませんが、2007年に撮影されたもの。
5人の少年たちが池の中に入って遊んでいます。
道路に面していますが公園の一画でしょうか?
人工の岩場は遊具のようになっており、安全に配慮されています。
散歩がてらこんな光景を見かけたら、その日は一日良い気分でいられそうですね。
画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:Sk dip.jpg
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ただし日本の場合は、現代のジャブ池ではほとんどの子が水着を着用しています。
たとえ子供たちが裸で遊びたがっても、日本の公園ではそれを許可しないでしょう。
海外、とくに東南アジアでは今でも街の中で裸の子供たちが遊んでいるのですから、同じアジアでも水辺の情景は随分と違うものですね。
【1910年代】
この写真は1912年のイギリス。
首都ロンドンにある「トラファルガー広場」の様子です。
大勢の子供たちで賑わっており、そのうちなん人かは裸になって池に入っています。
撮影者からの指示待ちをしているようにも見えますが、当時はこの池で裸の子供たちが遊んでいたのは確かでしょう。
当時のトラファルガー広場の夏の風物詩といった感じでしょうか。
画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:Trafalgar Square, c. 1912 boys and girls swimming.jpg
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【1940年代】
左は1940年代のイスラエルの公園。(正確には児童養護施設の庭)
池というよりもシャワーの付いた洗い場といった感じですが、道から丸見えであるところがほのぼのしていますね。
道ゆく人たちもこの情景を眺めたり子供たちと会話していたのでしょう。
右は1943年のイタリアのナポリにある公園の池です。
噴水のある池でしょうか?男の子たちが裸になって泳いでいます。
深いところがないので周りの大人も安心して見ていられますね。
画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:PikiWiki Israel 13329 Courtyard of the children at Givat Brenner.jpg(左)
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【1950年代】
これはどちらも1958年のドイツ。
首都ベルリンの住宅街にある児童養護施設にて、子供たちが庭の池で遊んでいる様子です。
たくさんの幼児たちが水浴びしていて、保育士らしき女性も一緒に入っています。
大きな滑り台もあって、なかなか立派な施設ですね。
眺めているだけで子供たちの元気な声が聞こえてきそう。
画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:Bundesarchiv Bild 183-56576-0001, Berlin-Friedrichshain, Planschbecken.jpg
File:Bundesarchiv Bild 183-56576-0002, Berlin-Friedrichshain, Planschbecken.jpg
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【1960年代〜1980年代】
左は1969年のフィンランド。
首都ヘルシンキの高級住宅街の庭に作られた、池のような浅いプールのような設備。
小さな幼児も遊んでいるので、大人の監視は常に必要です。
でも夏に毎日ここで遊べるなら、子供の健康には良いでしょうね。
右は1985年のイタリア。
シチリア島の港湾都市、パレルモにある公園のジャブ池。
小さな池ですが、子供たちが楽しむにはじゅうぶんです。
画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:Lapsia vesialtaalla Vanha viertotie 6 -n pihalla Etelä-Haagassa - N211652 - hkm.HKMS000005-000005v3.jpg(左)
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【1980年代・1990年代】
左は残念ながら詳細不明。
撮影年も国名もわかりませんが、おそらく1980年代あたりではないかと思います。
大きな滝のある水辺で小学校高学年くらいの子たちが遊んでいます。
夏休みだとしても、今では決して見ることができない光景ですね。
右は1993年の日本。
親水公園のジャブ池で遊んでいる、浮き輪を持った女の子。
浅いので浮き輪はかえって邪魔になりそう。
この頃の日本では、水辺で裸でいる子は(親が裸にさせている子は)3歳くらいまででした。
Copyright : RUKA
【2000年代】
左は2004年のフランスのビル街。
近代的なビルとエンジェルスタイルの子供たちとの対比が面白いですね。
これぞまさしく「都会のオアシス」といった光景。
ビルの窓から眼下を眺めた大人たちにとっても、心の休息になりそうです。
右は2008年のルーマニア。
首都ブカレストの公園の池で、男の子たちが噴水彫刻に登って遊んでいます。
台座に座る姿はまさに動く彫像ですね。
画像出典:
chabaphoto_02083
Copyright : Csaba Vigh
Summer play
Copyright : Ana Pobleanu
【2010年代前半】
左は2012年のインド。
大きな公園の噴水池で男の子たちが遊んでいます。
この4人は仲の良い友達なのでしょう。
大人たちは公園の花に夢中ですが、子供たちの水浴びも負けず劣らず華やかですね。
右は撮影年が不明ですが、たぶん2010年代のバングラデシュ。
カメラを意識して集合写真みたいになってますね。
小さな子もいますが、見通しが良く浅い池なので大丈夫でしょう。
画像出典:
Boys swimming, Heritage Mughal Garden, Shalimar
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Happinessssssss
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【2010年代後半】
2015年〜2018年頃のフィリピン。
どちらも同じ場所でしょうか?街の中にある噴水広場の様子です。
エンジェルスタイルの少年たちが池の中に入って遊んでいます。
すぐそばが大通りなので、道ゆく人もこの光景を楽しんでいるようですね。
でも車を運転している方は見惚れて事故らないように気をつけて。
画像出典:Tampisaw(左)
Copyright : Richard Moratin
街中の水辺は市民に涼しさや憩いを与えているわけですが、そこに天使たちが加わると楽しさや元気さも加わり、街がさらに華やかになります。
街の活気付けには元気な子供たちが最も有効で、エンジェルスタイルであれば尚良し!
今回は天使たちが街のジャブ池で遊ぶ様子、その100年間の歴史をご紹介しました。
関連記事:川遊び100年史
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2025年03月12日
今日は何の日?「育児の日」
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本日12日は「育児の日」です。
兵庫県神戸市に本社を置く「株式会社神戸新聞社」が制定した記念日。
1と2で「いくじ(育児)」と読む語呂合わせから毎月12日を「育児の日」と定め、一般社団法人 日本記念日協会により認定・登録されました。
神戸新聞社は2003年から「育児の日」を提唱しており、育児・子育てについての様々な企画を10年以上にわたり続けてきました。
これにより同社は2015年、日本記念日協会より第9号「記念日文化功労賞」を受賞しています。
育児の日は、社会全体で子育てについて考え、地域が一体となって子育てしやすい環境づくりに取り組もう、という日。
「育児」というと独身の人は「自分には子供がいないので関係がない」と考えがちですが、子育ては社会全体でおこなうものです。
育児という言葉を英語にすると主に「child rearing(チャイルドリアリング)」と「childcare(チャイルドケア)」という二つの言葉に訳されます。
「child rearing」は、主に家庭内での育児(親が子供を育てること)の意味ですが、「childcare」は親だけではなく、保育サービス、小児看護、児童保護など、子供たちの世話全般に対しての意味があります。
つまり育児とは決して親だけがすることではなく、その関係者や子供好きの人々が積極的に考え、取り組んでいくことだということです。
育児の日をきっかけに、子供たちやその親のために何ができるかを考えてみるのも良いでしょう。
画像出典:180-8008_IMG
Copyright : Tom and Susan Rose and Norris
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2025年03月10日
エンジェルからヴィーナスへ
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ひだのある衣服の裾をたくし上げ、後ろを振り返っている女性。
目を引くのは非常に美しい形をしたお尻。
この彫像は「Venus Callipyge」という世界的に有名な大理石像です。
日本語では「尻の美しいウェヌス」という名前で呼ばれています。
1世紀か2世紀頃に古代ローマで作られた作品で、あまりに古いため作られた経緯も作者も不詳。
一般的にはウェヌス(ヴィーナス)像とされていますが、女神ではなく人間の女性像である可能性もあるそうです。
それにしてもこの彫像、本当に美しいお尻をしていますね。
人間のお尻に対する美意識が二千年ものあいだ変わっていないことに驚くとともに、生命を育む女性の臀部と腰部に神秘性さえ感じます。
画像出典:Cf Naples National Archaeological Museum - Venus Kallipygos
Copyright : Jeff and Neda Fields
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さて、その女性のお尻ですが、女性は生まれてから思春期までのあいだにお尻の形が数回変化します。
もちろんいきなり変わるのではなく徐々にですが、その形状を見ると大体4種類に分類されます。
(注:この記事では便宜上「乳幼児期」「児童期」などと分けていますが、母子健康法や児童福祉法で定める年齢区分とは一致していません)
0歳〜2歳(乳幼児期)
生まれてから歩き始めて間もない頃までは下半身が未熟でお尻も小さく、上半身とのバランスも整っていないので体形的にはかなり不安定。
古い宗教画などでは天使をこの歳の姿で描いたものも多いのですが、これは形の美しさよりも純粋さを優先することで神々の美しさを引き立てているのだと思います。
2歳くらいになるとお尻が丸みを帯びてきて、こねたパン生地のような愛らしさも出てきますが、まだまだ美しい形とは言えません。
画像出典:DSC_8074.jpg(右)
Copyright : Guy and Roi Kedem
3歳〜5歳(幼児期)
幼児期になると動きがより活発になってお尻や足の筋肉が発達し、とくに大臀筋やハムストリングス(太腿の裏側の筋肉)の発達により下半身の形状が整ってきます。
さらに腰が台形を成し、よく膨らんだパンのように曲線による美しさが現れてきます。
パンの種類で「天使のおしりパン」というのがありますが、あれは幼児期のお尻の形や柔らかさをイメージしています。
しかし痩せ型の子は腰付近の肉付きが十分ではないため、垂れ尻に見えることもあります。
画像出典:DSC06643(左)
Copyright : lepota
6歳〜10歳(児童期)
この年齢、とくに8歳頃からは上半身下半身のバランスが良くなり、後ろ姿も様になってきます。
性別によってお尻の形に違いが表れてきますが、これは骨盤の成長によるものです。
男児のお尻の形が幼児期とあまり変わらないのに対し、女児はウェストのくびれと腰回りの寸法差が大きくなり、お尻の肉付きが増してきます。
ただし日本人は欧米人と比べて骨盤の傾斜角が小さいので、前後の厚みが控えめであることが多いですね。
画像出典:2016年頃のFlickr
11歳〜(思春期)
思春期に入ると(女児は初潮以降、男児は精巣の大きさが4mlを超えた頃)男女の体形の違いがより明確になってきます。
女性ホルモンのエストロゲンは太腿や腰周りに皮下脂肪を付ける働きがあり、男性ホルモンのテストステロンは筋肉量を増やす働きがあります。
これにより女児は膨らんだ風船のような柔らかなお尻となり、男児は大臀筋の発達により適度な硬さを持った引き締まったお尻となります。
中肉中背で肉体的に問題がなければ、男女とも最も美しいお尻をしているのがこの時期だと思います。
そしてその後は身長体重の増加に伴い、成人の体形となっていくわけです。
画像出典:2008年頃のFlickr
以上、女性のお尻の形の変化について述べてきましたが、これらは総じてその傾向にあるということであり、すべてに当てはまるわけではありません。
当然個人差はありますし、個々の体型によっても変わります。
またひと口に「美しい尻」と言っても、その基準は国によっても違います。
今や日本を含め世界各地で「美尻コンテスト」が開かれていますが(YouTubeでもご覧になれます)、それを見ると、日本では小振りのお尻が好まれ、ブラジルでは大きなお尻が好まれているようです。
しかしどの美尻コンテストにも共通しているのが、出場者が健康であるということ。
美尻は健康を示す要素のひとつに過ぎないということですね。
美しいお尻は健康な体があってこそ・・・というわけで、「尻の美しいウェヌス」もあれほど美しいお尻をしているのですから、さぞや健康な女性だったのでしょう。
関連記事:尻の美しい...
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2025年03月09日
絵画「Ragazzo nudo sulla spiaggia」
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アメリカの画家、ジョン・シンガー・サージェント(John Singer Sargent/1856-1925)による1878年の作品「Ragazzo nudo sulla spiaggia」
イタリア語のタイトルですが、英語では「A Nude Boy on a Beach」、日本語では「ビーチにいる裸の少年」となります。
砂浜でうつぶせになって遊んでいる少年の絵。
テーマ自体はだいぶ既視感がありますが、この作品はちょっと独特ですね。
じつはこれ、高さ27cm、幅35cmの木の板に描かれている絵画なんです。
じっと見ているとまるで寝入りばなに幼い日の記憶が浮かんできたときのような、不安とも戸惑いともつかない気持ちになります。
タッチが荒く、色味がくすんでいるからでしょうか?
他人の記憶を覗き込んでいるようなモヤモヤとした不気味さも感じます。
でもこれは私の感覚。
本当は楽しく遊んでいる少年を描いただけかもしれませんね。
作者のジョン・シンガー・サージェントはアメリカ出身の画家。
19世紀後期にフランスで美術教育を受け、おもにロンドンとパリで活動しました。
アメリカ人医師の子としてトスカーナ大公国のフィレンツェに生まれた彼は、12歳からドイツ系アメリカ人画家のカール・ヴェルシュのアトリエに通って絵を学びました。
1870年には故郷のフィレンツェに戻り、1874年からはフランスのパリに出てエコール・デ・ボザールにて学びました。
卒業後はロンドンに落ち付き、肖像画家としての地歩を固めます。
1882年からロンドンのロイヤル・アカデミーに作品を出品し、1891年にはボストン公共図書館の壁画制作を開始するなど、祖国アメリカの文化にも貢献しました。
彼は肖像画家として知られていますが、1907年頃からは主に水彩の風景画を制作したそうです。
1925年にイギリスのロンドンで亡くなりました。
画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:Ragazzo nudo sulla spiaggia John Singer Sargent.jpg
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2025年03月07日
絵画「laocoonte」
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イタリアの画家、フランチェスコ・アイエツ(Francesco Hayez/1791-1882)による1812年の作品「laocoonte」
イタリアのミラノにある美術学校「ブレラ美術アカデミー」が所蔵している絵画です。
タイトルのlaocoonte(ラオコーン)とは、ギリシア神話に登場するイーリオス(トロイア)の神官。(神官:神に仕える人)
中央にいる男性と少年に大蛇が絡みついており、周りの人々も逃げ惑っているように見えます。
これは物語のワンシーンでしょうか?
ウィキペディアのラオコーン(ラーオコオーン)の解説によると・・・
アポローン神殿の神官であるラオコーンはトロイア戦争の際、トロイアの木馬をイーリオス市内に運び込もうとする市民たちを諌めますが、この行為は戦いの女神、アテーナーの怒りを買ってしまいます。
アテーナーはラオコーンの両目を潰し、さらに海に潜む2頭の蛇の怪物にラオコーンを襲わせました。
ラオコーンは子供たちと一緒にいて、子供たちは2人とも怪物に食われてしまいました。
一説には大蛇を使ってラオコーン親子を殺させたのはアポローンだとも言われています。
アポローンはトロイア戦争においてイーリオス側に味方した神ですが、ラオコーンがかつて自分の神殿内で妻と交わったため、この罰を与えたのだとか。
なるほど、中央の男性がラオコーンで、その隣の裸の少年と右側で倒れている少年がラオコーンの息子たちですね。
中央の子供のみを拡大
息子は白目を剥き、その表情は苦悶に満ちています。
大蛇はすでに片腕と片足を拘束し、今にも少年の柔肌に食らいつかんとしています。
200年以上も前の作品ですが、写実的なだけではなく恐怖の演出が見事ですね。
この子の小さな中心部をあえて描いているのも、恐怖の大蛇との対比を表現しているのでしょう。
画像出典:ウィキメディア・コモンズ
File:Francesco hayez, laocoonte..., 1812 (brera).jpg
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作者のフランチェスコ・アイエツは18世紀に生まれ19世紀に活躍したイタリアの画家。
19世紀ミラノの代表的なロマン主義画家です。
ヴェネツィアの貧しい家の出である彼は、幼少期に母方の叔母夫婦に育てられました。
子供の頃から素描の才能を見せたフランチェスコを叔父が美術修復家の元に弟子入りさせます。
フランチェスコはその後、画家のフランチェスコ・マジョット(Francesco Maggiotto/1738-1805)の生徒となりました。
彼は1806年にヴェネツィア美術アカデミーの絵画コースに入学。
1809年にアカデミア美術館主宰のコンペティションに入賞し、ローマのアカデミーで1年間学び、そのまま1814年までローマに滞在しました。
その後ナポリに移り住みますが、1830年代半ばにミラノのサロンに出展。
1850年にはミラノのブレラ美術館のディレクターに任命されました。
上記の絵は彼が21歳のときの作品ですが、すでに優れた描画能力を有していたことがうかがえます。
初期の作品にはジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルやナザレ派の影響が見られるそうです。
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2025年03月06日
子供の安全のために 29【ベビーカー】
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【ベビーカーからの転落事故に注意!】
ベビーカーは子供を連れて外出するのに便利な製品ですが、正しく使用しないと転落・転倒するなどの事故につながる恐れがあります。
消費者庁や国民生活センターには、ベビーカーの使用中に起こった事故情報が医療機関から寄せられているそうです。
『0歳の子供を乗せて駐車場のスロープを降りていたところ、ベビーカーが掛けていた荷物の重さで手前に倒れた。子供はシートベルトを装着しておらず地面に転落。外傷性くも膜下出血により7日間入院した』
『0歳の子供をベビーカーに乗せていた。施設で下りエスカレーターを利用した際、ベビーカーが引っかかり子供が投げ出されて10段下まで転落。頭蓋内損傷のため救急搬送された』
『外出しようと玄関先で1歳の子供をベビーカーに乗せた。シートベルトをする前に家の鍵を閉めようしたところ、子供がベビーカーから立ち上がろうとして顔から転落。顔の骨を骨折した』
『1歳の子供が折りたたまれたベビーカーを掴んでいた。保護者が気づかずに開いたところ子供の指がフレームに挟まれた。挟まれた指は赤く腫れ、骨折していた』
などの事例があります。
国民生活センターがおこなった調査によると、多くのベビーカーに「ハンドルに荷物を掛けないように」との警告表示があるにも関わらず、7割以上の消費者がハンドルに荷物を掛けていたそうです。
また、シートベルトを毎回装着させている消費者も7割未満に留まっているそうです。
ベビーカーを使用する際は取扱説明書等に記載されている使用方法を守り、安全に使用しましょう。
● シートベルトをしっかり締めましょう。
● 子供をステップや座席の上に立たせないようにしましょう。
● 荷物はベビーカーごとに決められた収納場所に入れ、ハンドルに掛けないようにしましょう。
● 段差や溝、傾斜に注意して使用しましょう。
● 子供をベビーカーに乗せたままエスカレーターや階段を利用しないようにしましょう。
● ガタつきや亀裂などの不具合がないか、ベビーカーを日常的に点検しましょう。
画像出典:2009年頃のFlickr
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2025年03月04日
天使の来店
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Copyright : RUKA
これは私が甥っ子たちとコンビニに立ち寄ったときの写真。
夏の暑い時期だったので店内の涼しさが心地よく、まさに小さなオアシスでした。
子供たちはそんなことよりもと、お菓子売り場に直行でしたが。
半袖半ズボンとはいえ、真夏の暑さは子供にとってもキツイですね。
だからこそ各地の親水公園が子供たちで賑わうのでしょう。
でも水辺のそばに店があったとしても、子供たちが水着のまま来店することはほとんどありません。
禁止ではないでしょうが、今の日本ではまず見かけませんね。
しかし世界のどこかの地方では、子供たちが水着や裸で来店することもあるようです。
例えば大きなビーチのあるヨーロッパの観光地では人々が水着のまま街を歩いていますし、東南アジアでは裸になって遊んでいる子供も少なくありません。
日本でも昔は、川で遊んでいた子供がそのまま近くのお店に入ってくることはあったと思います。
店の中に水着や裸の子供がいるという光景は、世界的に見ればそんなに珍しいことではないのでしょう。
場所はスペインのイビサ島。
地中海西部のバレアレス諸島にある島です。
ビーチ近くのスーパーマーケットでしょうか、天使ちゃんと女神様がご来店。
ふたりは今夜のおかず選びに余念がありません。
暑い日差しで火照った体には、食料品売り場の涼しさが心地よいでしょうね。
でもあまり長くいると風邪ひきそう。
画像出典:_DSF4328 Ibiza at the Supermarket
Copyright : Lorenzo Giunchi
この子たちはマレーシアのサバ州の子供たち。
奥に写っているのがお店でしょうか。
みんなでお菓子を買ったあと店先で遊んでいるんですね。
私も子供の頃、駄菓子屋でお菓子やオモチャを買うと、すぐその場で開けて食べたり遊んだりしていました。
裸じゃあなかったですけどね。
画像出典:Sabah
Copyright : Sim Eng Hiang
どこの国かわからないんですが、東南アジアっぽいですね。
写っているペンキ缶にMATEXと書かれていて、それはシンガポールのメーカーでした。
ここはたぶんお菓子屋さん・・・かな?
そこにやってきた帽子の天使くん。
せっかく買いに来たのに、お店のおばちゃんどこ行っちゃったんでしょうか?
昼ドラ見てるのかな?
画像出典:DSC_9306
Copyright : LS Chu
これもどこの国か不明ですが、ヨーロッパのどこかか、あるいはアメリカか。
スーパーマーケットで買い物している水着の天使たち。
ここも近くにビーチがあるんでしょうね。
カゴに入れてあるのはお菓子とコーラ。
やっぱりそっちが本命だよね。
お肉はママに頼まれたのかな?
画像出典:2009年頃のウェブサイト
水着の少年が来店というとこれを思い出します。
2009年頃に、YouTubeだったか他のサイトだったか忘れてしまいましたが、11歳くらいの少年がマンキニ(V型水着)を着てコンビニに行くという1分ほどの動画が公開されていました。
場所はオーストラリア。
どうやら数人の少年たちが「この格好で店の人を驚かせよう」というドッキリを企画し、自分たちで撮影して公開したようです。
この数年前に「ボラット」というコメディ映画が流行ったので、その映画の主人公ボラットの格好を真似たんですね。
真似たというより影響されたのかな?
マンキニとは前がV、後ろがYになっている男性用のオモシロ水着。
大人がこの格好で入店したら怒られてしまいますが、子供なら可愛いものです。
入店時と退店時のGIF動画
さてこのドッキリ、成功だったんでしょうか?
店員さんは驚くというより呆れていたような・・・。
でも天使の来店、それは店にとってメデタイことなのかもしれません。
画像出典:2009年頃の動画サイト
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2025年03月03日
今日は何の日?「雛祭り」
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本日3月3日は「雛祭り」です。
女の子の健やかな成長を願う日本の伝統行事であり、「上巳(じょうし)」または「桃の節句」とも言います。
女児がいる家庭で雛人形を飾り、桃の花や菱餅、雛あられなどを供え、白酒を楽しむ節句祭り。
でも今では雛人形を飾るだけという家庭も多いですね。
江戸時代までは和暦(旧暦)の3月の節句(現在の4月頃)におこなわれており、桃の花が咲く時期であるため「桃の節句」と呼ばれていました。
明治の改暦以後、3月3日におこなうことが一般的になったそうです。
平安時代から桃の節句には小さな人形に穢れ(けがれ)を移して川や海に流して災厄を祓う「流し雛」がおこなわれており、現在でも日本各地にその風習が残っています。
雛祭りは元々は宮中や貴族の間での祭事でしたが、やがて武家社会でもおこなわれるようになり、江戸時代からは女の子の「人形遊び」と結び付けられて庶民の行事となりました。
画像出典:Hello Kitty Celebrates Hina Matsuri
Copyright : Jenn
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2025年03月01日
彫像に親しむ子供たち 2
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私たちが住んでいる街の中には様々な彫像があります。
その多くは人間の形を模しており、動物や架空の生き物の場合もありますが、子供たちが生命を考えるに相応しい教材となっています。
作者の技術に感心するも良し、テーマや物語に心打たれるも良し、人体に興味を惹かれるも良し。
子供たちこそ街の彫刻に親しみ、生き物の姿から大切なことを学んでほしいですね。
何も語らぬ彫像は、じつは多くのことを語っているのです。
画像出典:Untitled
Copyright : meteo
まずは公園に行ってみましょう。
そこには動物たちの彫像があります。
見るだけじゃなく、さわって、つかんで、またがって。
リアルな作品もデフォルメされた作品も、きっと良いお友達になってくれるはず。
画像出典:
Happy Turtle Time
Copyright : AIRFIELDFAMILY
かば
Copyright : Wataru
公園にあるヌード像。
裸像に対しては小さな子供のほうが先入観がないので、すぐに親しむことができます。
反対に人間の裸を性と絡めて考えるような年頃になると、貶したり蔑んだり、面白いオブジェとしか認識しないような子も増えてしまいます。
一部の大人に、街の彫像にイタズラしたり壊したりする者がいるということは、彼らは幼少期に彫像から何も学んでいなかったということでしょう。
これは大人たちの責任でもあります。
画像出典:
Kids Climbing on a Statue @ The Louvre, Paris
Copyright : steeev
Kiss Me Please Project #14
Copyright : NAGANO TOYOKAZU
親水公園などにある噴水彫刻。
夏は涼しげで、避暑には良い場所ですね。
池に入ったり彫像に登ったりが許されている場所なら、子供の特権を活かして大いに遊び、大いに親しみましょう。
裸になって遊べば彫像との連帯感もさらに高まり、さらに多くのことが学べます。
しかも周りにいる大人たちも彫刻作品と天使との融合が見られるのですから、まさに夏の日のイリュージョンといった感じ。
未来に向けて残したい情景ですね。
画像出典:
Adam and Eve(1枚目)
Copyright : Luca Pedrotti
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公園で彫像に親しんだら、美術館の彫像にも興味を持ってみましょう。
男性像、女性像にこだわらず、美術作品の魅力を堪能しましょう。
そしてそこから人間の素晴らしさを理解することができたなら完璧。
絵を描いたり造形したり、作品を作る側になってみるのも良いですね。
人間の体には、美に値しないところなどありません。
人体彫刻が芸術であるのなら、人体はもっと芸術であるはず。
あるいは彫像と同じくらい、自分の体も美しいはず。
自分に価値を見出し、自分を大切なものと見做し、悔いのない人生を送る。
それはタオルを取って鏡の前に立つことから始まります。
子供たちは「人間には価値があり、それは自分も例外ではない」という意識を持つことが大切。
自分のために、家族のために、そして未来の子供たちのために。
画像出典:Meander and bust
Copyright : Flyingindigo
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